手を出す(噛み付く)前後の子どもの様子−親の目からの観察
起こってしまう、
噛む、叩く、引っかく、つねる、突き倒す、物を投げる、髪をひっぱる。
いつも玩具を取る子・取られる子、噛む子・噛まれる子が決まってしまうこともあり、
自分の子どもがやられるところを見たり聞いたりすると、
親としてはとても腹立たしいですよね。
でも、ひっとすると知らないだけで、
他の子どもと遊ぶときは、逆の関係になっているかもしれません。
少し子ども達の遊んでいる世界を観察してみると
手を出す、子どもなりの理由
歯型や引っかき傷だけを見ると、一方的に噛まれている様に思えますが
前に原因となる事があり、子どもなりに理由があるようなのです。
<友達との間>
・1歳入園後2ヶ月したころ、娘が
口から耳にかけて深く長く引っかかれ、昔はやった口裂き女?のような顔に。
椅子に付いているマークで自分の椅子が分かるのですが、1歳になった
ばっかりの娘には分からなかったようです。
他のマークの椅子で遊んでいた時、「自分の椅子を取られた!」
と思った子が、顔の後ろから手を出し取り返そうとして、顔を引っかいたようです。
・ブロックを1人じめしたくて、他の子が取れない様にブロックの箱の上に体を
被せてしまいました。遊びたかった子に、背中をガブリと噛まれました。
<兄弟の間でも>
家の上の子は、下が使っている玩具が欲しい時「貸して」と言いますが、
貸してもらえないので無理やり取り上げます。下は取り返すため上を叩き、
上に叩き返されて泣きます。
泣いてから親が気づくと、上が叩くところしか見ていないので、
何があったか分かりません。
無理やり取り上げた上も、全然貸さなかった下も悪い。
玩具を取られたからと叩いた下も、叩き返した上も悪い。
どっちもどっち。お互い様
2歳前後の頃は、言葉でも上手く気持ちを表現できないし、
相手の気持ちを考えて行動したりすることも難しいため、
最初に仕掛けた子も、それを受けて手を出した子も、
どっちもどっちだと思いませんか。
危ない雰囲気を早めに大人が気づき、うまく納めるようにして
それでも起こってしまったケンカは、「どっちもどっち。お互い様」
とできたら楽になれると思うのですが。
気持ちが攻撃に変わる
怒り、悔しい、悲しい、いやだーの気持ちを言葉で表現できなかったり、
他の方法で気持ちが発散できないと、やはり手が出てしまいますね。
噛む、叩く、引っかく、つねる、突き倒す、物を投げる、髪をひっぱるなど、
子どもにより手を出す方法が違うようです。
・噛むことだけがいけないの?
叩かれたり、突き倒された場合は、そのときだけで、大人が見ていなければ気付かずに
過ぎてしまうことが多いのではないでしょうか。
噛まれたり、引っかかれると、跡や傷が大きく長く残ります。
噛まれた側の親には、「痛々しい、腹立たしい」という気持ちも強く、長い間
残ってしまいます。このため問題になり易いのかもしれませんね。
当然相手を傷つけることはよくありませんよね。
しかし、噛む行為だけが悪いのではなく、嫌な気持ちを、相手への攻撃
(引っ掻く、叩くなど)に変える事が問題なのではないでしょうか。
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