1965年5月1日、働く父母の強い要望の中、新栄町の個人のお宅で共同保育所が産声を上げました。「こぐま共同保育所」と名付けた産休明けから預かる保育所はたった二人の子どもから始まりましたが、すぐに5人10人20人と増え、手狭になったことや大家さんの都合などで4回も移転を繰り返しました。
不十分な設備、高い保育料、増減が激しい子どもの数、困難な運営、たび重なる移転など困難ななかでも、貧弱な福祉行政へ働きかけながら保育士と父母が力を合わせて運営してきました。
共同保育所 13年 産休明け(43日〜)預かる刈谷市唯一の保育所
当時の産前産後の休暇は6週間
当時大変だった事柄
・刈谷市の公立保育園は1969年4月から乳児保育を開始したが6ヶ月以上児からの保育で
しかも入所を決定する措置会議は4月と9月の年2回でした。
・借家のため移転をくり返す(認可までに4回・5か所)
・困難な運営の中、バザー・廃品回収・物資販売などで資金作り
をしました。
・行政への働きかけ 署名運動
・設備は悪くても良い保育をしよう→保育士の学習保証→1日保母・保父さんもしました
良かったこと
・父母と保育士、みんなで何でも相談しあって運営してきたこと
・行政(刈谷市)に働きかけることで助成制度を実現し、刈谷市の乳児保育に道を開いた。
・子どもの入所決定は運営委員会行い、刈谷に働く市外の人もうけいれてきました。
より良い保育環境を求め、全国の認可運動にも刺激され、5か所目に移転を余儀なくされたときに、社会福祉法人立の認可保育園の建設に踏み切りました。
刈谷市にも働きかける中で、南刈谷第三区画整理地内で公園に近い土地を市が斡旋して建設委員会(後の後援会)が購入することになりました。95坪1000万円は建設委員会がみんなの寄付や貸し付けで準備しました。土地が区画整理地内にあったために担保にできないので公的機関からは600万円しか借りられず、さらに850万円を大変な苦労の中で準備しました。
鉄筋コンクリート2階建て、約198u、床暖房入りの新園舎は小さいながらも地域の保育センターとしての役割も果たして行こうと希望に胸をふくらましての出発でした。
土地、建物、運営資金なとで新園舎建設に必要な総額は4,150万円でした。
特徴:市内初の床暖房、唯一の産休明け保育園、手作り給食、鍛練保育
1971年1月 たんぽぽ、いりなか共同保育所が愛知県下初の認可園に
1976年3月 こぐま認可園建設委員会設立
1978年3月26日 こぐま認可保育園開園
1978年4月 0歳1歳2歳30名定員のこぐま保育園が誕生
1997年4月 乳児室を拡張して35名定員に
2001年4月 園舎を拡張、定員を45名に増員し3歳保育を開始
認可園の良さ ・良い設備のもとで安定運営ができる
・市職員並みの給与水準に近づけられた
・共同保育所の歴史を受け継ぎ、民間ならではの自主的主体的な保育ができる
・園単独での判断ができる、親も運営に関わり、共に育ちあえる
こぐま保育園西園舎の増築後の様子
建設地 :刈谷市富士見町3丁目209番地
敷地面積:314.05u(95.17坪)
建築面積:168.58u (保育室5室 調理室 他)
定 員:45名
こぐまって?
1995年2月のこぐま30周年のつどいで「就学前までの保育園を作ろう」との合意から3年を過ぎた1998年4月に「就学前保育を実現させる会」を発足させました。ここでも土地探しが難問でしたが、2001年に刈谷市を交えて地主さんと懇談し借地の目処が立ちました。
2001年11月に建設委員会を発足させ、整備計画書を提出しました。2002年9月、おがきえ保育園との関係で国や県の補助が受けられませんでしたが刈谷市単独で国・県の補助分も含めて補助が出ることになりました。
2004年3月15日 小学校にあがるまでの保育園が欲しいという願い・長年の夢が現実となり東園舎が完成し、同21日にお世話になった多くの方々とともに竣工式・開園式を祝いました。
開園式に集まったみんなと記念撮影 「子育て支援センターひだまり」の玄関
建設地 :刈谷市富士見町3丁目304〜308番地
敷地面積:1,139u(345.15坪) 50年定期借地
建屋面積:442.11u (保育室4室 遊戯室100u 子育て支援室 他)
定 員:西園舎と併せて90人に
|
全国的に待機児童が問題となる中で、刈谷市も同様に公的な保育所に入れず困っている人たちからの問い合わせが当園にも寄せられていました。何とか力になれればと、2010年10月1日、待機児解消をめざして本園から徒歩2分のところに分園を開所
しました。
所在地:刈谷市富士見町1丁目202番地
定 員:0歳児・1歳児合わせて20人
ビルの二階がこぐまっこです こぐまっこも加わってささやかな開所式
※ 保育内容は本園と同じで・頻繁に交流しています
女性の社会進出、男女共同参画社会の実現への動き、リーマンショック以降の不況とあいまって働き続ける女性の増加や保護者の病気などによって保育園への入園希望が急増する状況はなかなか改善しませんでした。
刈谷市では保育園への入園希望者が2008年度の380人から2012年度の505人と大きく増えていました。刈谷市はもちろん当法人も受け入れ枠を増やして対応してきましたが認可保育園への入園希望に対して応えきれていない状態でした。中でも刈谷市南部の東刈谷区域は人口の急増区域で、この地域への保育園建設が喫緊の課題になっていました。
2012年2月8日の市懇談の席上で副市長から新園建設に支援する約束をとりつけ、建築課や農政課への資料作りに取り掛かりました。借地契約・農振除外・農地転用許可・駐車場確保・福祉医療機構への借入金手続きなどなどの難問を多くの方々の協力で何とかクリアし、2012年11月27日に地鎮祭にこぎつけることができました。建築許可後わずか4カ月という工事期間でしたが無事完成し、2013年4月1日から保育を開始し、4月2日に開園式を行うことができました。
第二こぐま保育園 竣工時の写真
園庭の整備も進み遊具や緑が増えつつあります
1 所在地 刈谷市半城土町中ノ湫110番
2 敷地面積 2,438u
3 建築面積 1,159.91u
4 開設日 2013年4月1日
5 定員 110人(2歳未満児;27人 2歳以上児;83人)
2012年8月に成立した「子ども・子育て支援新制度関連3法」に基づいて、刈谷市でも2014年7月に刈谷市子ども・子育て会議が発足しました。2015年に、刈谷市子ども・子育て支援事業計画が示されましたが、待機児童の解消は2019年までかかる計画でした。
法人として何とかしたいと、こぐま保育園も第二こぐま保育園も刈谷市の協力を得て定員を増やすことにしました。
こぐま保育園は、定員を大きく超えて保育しており増築が必要な状態でした。4・5歳児室は定員15名ですが なんとそれぞれに25人、居食分離もままならず、重篤なアレルギー児もいる中でホールも使っての保育は大変でした。刈谷市にこの状況を訴え、2014年9月に補正予算をつけていただきました。しかし、建築資材の高騰や職人不足などで入札不調になってしまい、2015年度4月に間に合わせることができませんでした。
第二こぐま保育園には大きなホールがあり、一角をフリースペースとして活用することができたので2015年4月には定員を12人増やして122人とすることができました。
こぐま保育園の増築を実現するために、2015年度の公共事業が発注される前に手配しようと、刈谷市、愛知県、内閣府、厚労省にも実情を訴えて増額した金額で何とか入札にこぎつけました。無事入札も成立し工事に入ると、大雨による土砂崩れが発生し対応に追われました。工期は10日ほど伸び、追加費用も発生しましたが、定員25人の保育室2室と会議室や休憩室などが完成し2015年11月より保育を開始することができました。
増築した4・5歳児室 お披露目会の様子
定員変更
こぐま保育園:110人→130人(本園:110人+分園:20人)
第二こぐま保育園:110人→122人
|